
3人目の赤ちゃんが生まれるけれど、車は5人乗りのまま。どうやってチャイルドシートを安全に配置すればいいかな?
実際に、そんなお悩みで個別相談を受けました。
長男さん・次男さん、そしてもうすぐ生まれる第3子。それぞれの年齢や成長に合わせて安全を守りつつ、車を買い替えずにどう配置するか。

今回のご相談をもとに、現実的かつ安全に3人を乗せる工夫と、最終的に選ばれたアイテムをご紹介します。
同じように「3人育児、5人乗りの車でどうする?」と悩んでいる方のヒントになれば嬉しいです。
この記事を書いたちゃこまるについて

- ベビー用品販売員歴、14年目
- チャイルドシート指導員
- 抱っこ紐検定1級修了
- 2024年接客コンクール全国2位(本業にて)
- 担当はベビーカー、チャイルドシート、抱っこ紐などの大型育児用品
- 男女の年子のお母さん(大学2年と社会人1年目)
- 子どもが0歳児の時から働くワ―ママ
ご相談内容とご家族の状況

今回ご相談いただいたのは、3人目のお子さまの誕生を控えたご家庭。
車の買い替えはせずに、今あるチャイルドシートを活用しながら、5人乗りの車で3人の子どもをどう安全に乗せるかがテーマでした。
この状況で、「どんなチャイルドシートを選んだら最善か」というご相談でした。さらにお話しをしていく中で、
- 車を買い替えずに長男(出産時点で7歳)を助手席、次男にジュニアシート新調、第3子はクルリラプラスを継続使用でOKなの?
- または車を買い替えて、新生児を2列目、長男次男を2列目か3列目に乗車?(車を買い替える覚悟はあり!)
- でも3列目にチャイルドシートって良くないって聞くけど実際どうなの?
という疑問を抱えていました。
まず知っておきたい!子どもとチャイルドシートの安全な関係について

チャイルドシートの配置を考える上で、「どこに乗せるか」以上に「どんな条件なら安全か」を知っておくことはとても大切です。
🚫身長140cm未満はシートベルトだけでは危険
多くの車のシートベルトは、身長140cm以上の「大人の体格」を想定して設計されています。
そのため、身長が足りない子どもが普通のシートベルトだけで座ると…
と、まだまだ危険性が高い状態です。

「もうチャイルドシート卒業かな?」と思っても、身長150cm未満であればジュニアシートや補助具の使用は必須と私はお伝えしています。
JAF(日本自動車連盟)も「チャイルドシートの使用は身長150cm未満までを目安に」と2024年に推奨基準を引き上げました。
💡助手席は危険?エアバッグの意外な落とし穴
「運転席の隣で目が届くから安心」──そう思ってジュニアシートに移行する際に助手席に子どもを乗せたくなる気持ち、よく分かります。
でも実は、助手席には大きなリスクがあるということを知っておきましょう。
海外では、日本より厳しい基準を設けている国がほとんど。
12歳未満の子どもを前の座席に乗せて運転してはいけない、135cm以下の子どもはチャイルドシート必須など、子どもの安全に対して意識の高さが伺えます。
選択肢はひとつじゃない!3つのチャイルドシート配置案

今回のご相談では、「車を買い替えずに、今あるチャイルドシートを活かしつつ、3人の子どもを安全に乗せたい」という希望がありました。
そこで、ご家族のライフスタイルや使用年数、安全性などを踏まえて、以下の3つのパターンをご提案しました。
スマートキッズベルト+既存シートを活用する案

ポーランドで開発され、EUやUS基準の厳しいクラッシュテストを経て安全認証を取得。国内でもEマーク適合と認められた、世界で唯一の携帯型子供用シートベルトです。(タクシー・友人・祖父母の車などに乗るときも便利)

後部座席の中央部分が狭いこと、長男がチャイルドシートの装着義務期間を終えていること、この2点を踏まえて考えました。
また、子供一人の場合は②の位置(助手席の後ろ)に新生児用チャイルドシート設置が最も望ましいですが、自由に歩ける長男次男の乗り降りの際の安全性を考慮すると、歩道側に次男用ジュニアシートがベターだと考えます。
さらに、注意点として下記の2点を提示しました。
- ロディフィックスの使用年数が不明なため、安全性にやや懸念あり
- 中央席(③)は幅が狭いため、座り心地には個人差あり
ジュニアシート買い足す案

ジュニアプラスネクストは、身長135cmから背もたれを外してブースターのみで使用可能です。
長男が長く使用できること、または使用しなくなった場合も次男で使用可能なことを考慮し提案しました。
(最初に旧モデルのジュニアプラスについて質問を受けていたためリニューアルしたジュニアプラスネクストを紹介)
しかし、この場合の注意点は、
- 隣り合うロディフィックスと干渉する可能性があり、事前に確認が必要※
- 中央席の横幅との相性次第で使いにくいことも
※クルリラプラスに関しては、乗せ降ろし時に後ろ向きの状態からドア側に向けるため、ジュニアプラスネクストのヘッドレスト側に向かって回転させることはないと想定しロディフィックスとの干渉のみに焦点をあてました

プラスして、後部座席の中央部の幅をメジャーで測ってもらうようにお話ししました。
ロディフィックスを見直す安全性重視案

第3子が生まれるまでは次男はクルリラプラスを使い続けます。ロディフィックスを廃棄して新基準R129適合のライドクルーを購入し、長男の乗り心地に配慮しようと考えました。
次男がライドクルーを使用できる身長になった時点で長男も成長しているため、中央座席に直接乗車し、あまりの出るシートベルトはスマートキッズベルトで適切な位置に調節することで安全を確保。
ライドクルーもブースターシートのみで使用できるため、長男次男の成長によって使い方を都度考える提案となりました。
この場合の注意点は、
- ライドクルーの幅が中央席と合うかはジュニアプラスネクスト同様、事前確認が必要
- 安全性を全体的に高めるために、滑り防止の保護シートがあるとより安心
という点も併せてお伝えしました。

参考までに、現在ライドクルーは2025年モデルが販売されています。
実際に選ばれたのはこの組み合わせ!

最終的にご家族が選ばれたのは、安全性・使いやすさ・将来の使い回しまで考えた、こちらの組み合わせでした。


この決定に至るまで、提案を数回見直しました。
- 他にも気になる機種についての質問が増えて解説
- 「こういった場合はどうなる?」などの疑問に回答
- 使用方法への不安のあるアイテムに関しての解決方法を提示
時間をかけてやり取りしていく中で、疑問をクリアにしていくことに努めました。
また、座席の幅を測って写真をいただいたり、実際お店に行ってもらい目星をつけたジュニアシートに試乗してもらったりと、一つずつ丁寧に確認。
「今の車を活かしつつ、3人それぞれが安全に座れる方法」を数ヶ月かけて一緒に探していきました。

店頭で1回お会いして話すだけではここまで深掘りはできません。何度もお話しできて私も参考になりました。
ということで新たに買い足したのは、スマートキッズベルト、ブースターシート、保護マット、アップリカのリライドの4点で済みました。

後部座席に3人を安全に乗せるのは厳しいかも…と思っていたけど、これなら安心してお出かけできそうです!
【補足】特別な助手席「安全に+心にも優しく」乗せるためにできること


お話を重ねていく中で、長男とパパママどちらかの2人だけでお出かけする際の助手席利用についてもご相談いただきました
3人育児の日常では、下の子がまだ小さい分、上の子との時間が少なくなりがち。
そんな中で、「お兄ちゃんだけパパorママと車に乗る時間」は、とても貴重な「特別なひととき」になります。
でも、いざ車に乗せるとなると気になるのが「助手席って大丈夫なの?」という不安ですよね。
できる限り安全に助手席に乗せるための工夫として、
- 助手席を一番後ろまで下げて、ダッシュボードとの距離を確保
- ブースターシートで長男の身長を補うこと+保護マットでズレ防止に努めること
- 助手席の背もたれを倒し過ぎないこと(腰の部分に隙間ができる座り方はNG)
これらを守って、「助手席=絶対NG」ではなく、条件付きで“できるだけリスクを下げる”工夫を重ねることが大事とお伝えしました。

さらに、長男くんとの2人のドライブを「お兄ちゃんだけ助手席に乗れる特別な時間」として活用することもお伝えしました。
- 「いつも頑張ってくれてありがとう」
- 「今日はパパ(ママ)と2人きりだね!秘密の時間だよ」
- 「もうお兄ちゃんだから、特別席ね!」
こんな言葉がけひとつで、助手席が「大好きな人と過ごすごほうび時間」に変わります。そして、これは単なる「移動」ではなく、
✔️親との心の距離をぐっと縮める時間
✔️「自分は大事にされている」という自己肯定感
✔️「弟たちよりちょっと先を行く」自信
につながっていくと考えられます。

日々の育児の中で、全員を平等に…はなかなか難しい。だからこそ、ちょっとした「特別感」や「2人だけの時間」が、子どもの心をほっと満たしてくれます。
チャイルドシートの正解は“わが家にとってのベスト”を見つけること

3人の子どもを安全に、そしてできれば今ある車やチャイルドシートを活かして乗せたい——その気持ちは、どのご家庭にもきっとあるはず。
でも、子どもの成長や体格、チャイルドシートの使用年数、車の座席幅など、ひとつひとつ条件は違うからこそ、「正解」は家庭ごとに変わります。
今回のご家族のように、じっくり相談しながら組み合わせを考えることで、
- 安全性
- 快適さ
- コストのバランス
- そして何より「安心感」
をしっかりと確保することができます。

じゃあ、うちの場合はどうしたらいいのかなぁ?
チャイルドシートの選び方や組み合わせは、プロでも一筋縄ではいかないことがあります。だからこそ、悩むのは当然。

「これで合ってるのかな?」「他に方法あるかな?」と感じたら、ぜひお気軽にご相談ください
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赤ちゃんとの暮らしや育児グッズについて、「わが家の場合はどうしたらいい?」と迷われたときは、どうぞお気軽にご相談ください。
私自身、育児に悩んだり、情報の多さに戸惑った経験があるからこそ、ひとりひとりの「ちょっと聞きたい」に寄り添いたいと思っています😊
ご相談の回答は、他の方の参考にもなる内容として、このサイト内で記事にさせていただく形をとっております。

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