ベビーラックを検討するとき、きっと一度は頭をよぎるのが「これ、いつまで使えるんだろう?」という不安じゃないでしょうか。決して安い買い物じゃないからこそ、
- 数ヶ月で使わなくなったらどうしよう
- 寝かしつけにしか使えないなら、元が取れないかも
そんな気持ちになるのは、とても自然なことです。

売り場でも「揺らす期間って短いですよね?」「結局、すぐ卒業しちゃうんじゃないですか?」とよく聞かれます。
しかし、「ベビーラック=寝かしつけ専用」で終わらせてしまうのは、かなりもったいない存在。
ベビーラックは、赤ちゃんの成長に合わせて役割を変えながら、新生児期から4歳頃までしっかり活躍してくれる育児アイテムです。
寝かせる・待たせる・食べる・座る。使い方を知っているかどうかで、「高い買い物」になるか、「頼れる相棒」になるかが大きく変わります。
この記事では、
- ベビーラックはいつまで使えるのか
- どのタイミングで何に使うのが正解か
- 「もう卒業かな?」と迷ったときの見極めポイント
を、わかりやすく解説していきます。

「買って後悔したくない」「できるだけ長く使い切りたい」
そんな想いを抱えたママ・パパが、読み終わる頃には「これなら安心して選べそう」と感じられるように、現役販売員の視点で、ひとつずつ丁寧に解説していきますね。
この記事を書いたちゃこまるについて

- ベビー用品販売員歴、14年目
- チャイルドシート指導員
- 抱っこ紐検定1級修了
- 子育て心理アドバイザー認定試験合格
- 2024年接客コンクール全国2位(本業にて)
- 担当はベビーカー、チャイルドシート、抱っこ紐などの大型育児用品
- 男女の年子のお母さん(大学2年と社会人1年目)
- 子どもが0歳児の時から働くワ―ママ
ベビーラックはいつまで使える?【揺らすのは半年、イスは4歳】

ベビーラックは新生児(2.5kg)から4歳頃(18kg)まで長期間使用できるアイテムです。実際の使用月齢の目安を確認しましょう。
ゆらゆら揺らす「スウィング」は生後5〜6ヶ月まで
ベビーラックのスウィング機能は、一般的に生後5〜6ヶ月頃(体重8kg前後)までが目安です。
この時期を過ぎると、寝返りや体の動きが大きくなり、安全面の観点から「揺らして使う」役割は卒業していきます。

とはいえ、ここで大切なのは「何歳まで揺らせるか」よりも「赤ちゃんが心地よく、安全に使えるかどうか」。
多くのご家庭では、半年頃を境に
- 揺らして寝かせる→卒業
- 簡易ベッドとして使う→ごくたまに
- イスとして使う→メイン
へと、役割が自然に切り替わっていきます。「揺れは短期間」と聞くと不安になるかもしれませんが、このあとお伝えする通り、ベビーラックの本領はここからです!
お座りして使う「イス」としては4歳頃まで
ベビーラックは、「揺らす期間」が終わったあとも、役目が終わるわけではありません。むしろここからが、長く使える本領発揮のタイミング!
多くのベビーラックは、腰がすわる生後6ヶ月頃からお食事用のイスとして活用し、メーカーの使用目安では4歳頃(体重18kg前後)まで対応しています。
離乳食初期は、リクライニングを少し倒して姿勢をサポート。成長に合わせて角度を起こせば、しっかり座れる食事イスとして活躍します。
- テーブル付きで食べこぼしを受け止められる
- 高さ調節ができて、親の腰への負担が少ない
- 食事・お絵かき・ちょっとした作業スペースにも使える
こうした理由から、「赤ちゃん用」→「幼児用のイス」へ自然に役割が変わっていくのが、ベビーラックの強みです。

「揺らす期間は短い」と感じやすいですが、イスとしての期間まで含めて考えると、ベビーラックは決して“短命な育児グッズ”ではありません。
うまく切り替えて使えば、毎日の食事時間をラクにしてくれる、頼れる相棒になってくれますよ。
成長に合わせて役割が変わる!ベビーラックのステップ別活用術

ベビーラックは、「揺らして寝かせるための道具」と思われがちですが、実はそれはほんの一時期の役割。ここでは、月齢ごとに「こんな使い方ができるよ」というイメージを具体的に見ていきましょう。
【新生児〜5ヶ月】安全な“ベッド&お世話台”として
この時期のベビーラックは、「寝かせる場所+お世話する台」として大活躍します。
おむつ替えに
床でのおむつ替えは、前かがみが続いて腰がつらい…という声を本当によく聞きます。
ベビーラックなら目線が高く、立ったままでもお世話しやすいので、体の負担がかなり軽減されます。

私は「床にお布団」のスタイルで年子を育てたので、まんまと腰を痛めました……
家事中の居場所に
料理や洗濯など、ほんの数分でも手が離せない場面が多々あります。
そんなとき、ベビーラックを利用して赤ちゃんを安全な場所に寝かせておけるだけで、気持ちに余裕が生まれます。

ペットを飼っているご家庭でも活躍します
目線が高い安心感
赤ちゃんの顔がすぐ見える位置にあることで、「ちゃんと呼吸してるかな?」という不安も和らぎます。
親にとっても、赤ちゃんにとっても安心感のある距離が保てます。

自分の視界に赤ちゃんがいないとすごく不安になるから、すぐ様子が見れて助かったよ!
【6ヶ月〜1歳頃】揺らさない“待機&食事準備”の場所
この頃になると、スウィングを使う頻度は徐々に減っていきます。でも、ベビーラックの出番が終わるわけではありません。
離乳食前後の待機場所として
「今から準備するから、ちょっと待っててね」
そんな場面で、安心して座らせておける場所があるのは本当に助かります。
抱っこ→着地の補助に
抱っこで寝かせたあと、いきなり布団に下ろすと起きてしまう…。
そんなとき、ベビーラックに一度“クッション着地”させることで、背中スイッチが入りにくくなることも。
赤ちゃんにとって最初の“椅子”になる場所
この時期は、「ベビーラック=揺らすもの」から「赤ちゃんが初めて座る椅子」へと役割が変わるタイミングです。
離乳食が始まる頃、赤ちゃんにとって“椅子に座る”という経験そのものが初めて。
ベビーラックは、いきなりハイチェアに座らせるよりも、体をしっかり支えながら、安心して座る練習ができる定位置になります。
【1歳〜4歳】お食事・作業用イスとして
ここからが、「あ、まだ全然使えるんだ」と実感しやすい時期です。
離乳食後期から幼児食にかけては、「ちゃんと座れるけど、じっとはしていられない」お年ごろ。
テーブル付きのベビーラックなら、体を囲うような設計で姿勢が安定しやすく、立ち上がりや落下の心配が少ないのが大きな安心ポイントです。

「ダイニングチェアはまだちょっと不安…」そんな時期の“つなぎの食事イス”として、ちょうどいい存在です。
さらに成長が進むと、食事だけでなく使い道が広がります。
- リビングでのおやつタイム
- お絵描きやシール遊び
- ワークブックや折り紙などの集中時間
ベビーラックは、足元や体を支える構造がしっかりしている分、姿勢が崩れにくく、落ち着いて座りやすいのが特徴。
ダイニングチェアだとソワソワしてしまう子でも、「ここに座ると安心する」定位置になってくれることも少なくありません。

「大きくなっても、まだ全然使える!」そんな未来が自然と想像できるのが、ベビーラックの強みです。
ベビーラックはいつまで安全に使える?現役販売員が教える「卒業」のサイン

「まだ使っていいのかな?」「そろそろ危ない?」ベビーラックを使っていると、ふと不安になる瞬間がありますよね。
ここでは、“使える・使えない”を感覚ではなく、赤ちゃんの成長サインを基準に整理します。
「寝返り」が始まったら、揺らすのは卒業
スウィングラック(ハイローチェア)のスウィング機能が使える期間は、一般的に 新生児〜生後5〜6ヶ月頃まで(2.5kg~8kg、身長70cmまで)が目安とされています。
- 寝返りをしようと体をひねる
- 揺れと動きが重なり、想定外の姿勢になる
こうしたリスクを避けるため、「頻繁に寝返りの兆しが見えたら、揺らすのはストップ」が基本ルールです。
※なお、コンビのネムリラ「BEDi Long」シリーズのように、構造的に1歳頃まで使えるとされているモデルもありますが、それでも実際の判断基準は“赤ちゃんの動き”が最優先。
成長には個人差があるので、様子を見ながら切り替えてあげてくださいね。
ベルトがきつく感じたら?正しいサイズ調整の目安
「最近ベルト、ちょっと窮屈そうかも…」と感じたら、まず大前提として必ず取扱説明書を確認しましょう。ベビーラックはメーカーごとに、
- 使える月齢の目安
- 使用できるベルトの種類
- リクライニング角度
が細かく指定されています。参考として、アップリカとコンビのモデルを見てみると、次のような違いがあります。


月齢・発達に合わせて「使うベルト」が変わります。
- 新生児〜首すわり前
→ 肩ベルト・腰ベルト・股ベルトをすべて必ず使用 - 首がすわって〜ひとり座り前
→ 引き続き全ベルト着用が必須 - ひとり座りが安定してから
→ モデルによっては肩ベルトを外す/任意使用に切り替え(※腰・股ベルトは継続使用が基本)
このように、「大きくなった=ベルト不要」というわけではありません。さらにアップリカに関しては肩ベルトの高さを月齢によって変える必要があります。

お客さまからよく聞くのは「窮屈そうだから外しちゃいました」「(外す月齢に達していないのに)よく動くので肩ベルトだけ外してます」という声です
ベルトを正しく使用しないと、
- 体が前にずれる
- 立ち上がろうとする
- 抜け出そうとする
といったリスクが高まります。指が1〜2本入る程度を目安に、しっかり支えて、締めすぎない状態を意識してください。
メーカーが推奨する「体重制限」は必ず守って!
ベビーラックを安全に、そして長く使ううえでいちばん大切なのが体重制限です。
「まだ座れてるし、大丈夫そう」「ちょっとオーバーしてるけど、すぐだから…」そう思ってしまいがちですが、体重制限は赤ちゃんを支える構造そのものの安全基準。

とくに注意したいポイントは下記の3つです。
スウィング使用時の体重制限はとても厳密
多くの手動・電動ベビーラックでは、スウィング機能の使用上限は体重8kg前後(生後5〜6ヶ月)が目安。これは、
- 本体の揺れ幅
- モーターやスプリングへの負荷
- 赤ちゃんの動きの大きさ
これらを総合して決められています。
また、電動の高機能モデルに関しては「赤ちゃんの体重を感知して揺れ幅を調整する機能」が搭載されているため、上限を守らないと故障の原因にも。

体重オーバーで揺らすのはNGと覚えておきましょう。
イス使用でも「最大体重」は必ず確認
イスとして使える期間は長くても、最大18kg(4歳頃)までがほとんど。体重制限を超えると、
- 本体のぐらつき
- ロック部分の負担
- 転倒リスク
が一気に高まります。見た目では分かりにくいからこそ、「まだ使えそう」ではなく「数値」で判断しましょう。
月齢より「体重」を優先して考える
赤ちゃんの成長スピードは本当にさまざま。同じ月齢でも、「体重がしっかり増える子」「スリムな子」など個人差が大きいですよね。
だからこそ、月齢はあくまで目安。実際にチェックすべきなのは、今の体重がメーカー基準内かどうかです。

体重制限を守ることは、「早く卒業させるため」ではありません。安心して長く大切に使い切るためのルールです。
ここを押さえておくだけで、ベビーラックは「危ないもの」ではなく心強い育児の相棒になります。
ベビーラックをいつまでも清潔に!長く愛用するためのお手入れのコツ

ベビーラックは、新生児期から幼児期まで長く使える分、「気づいたら汚れがたまっていた…」となりやすい育児アイテム。
でも実は、「汚れる前のひと工夫」「見落としがちな場所のケア」この2つを押さえるだけで、清潔さも使い心地も大きく変わります。
離乳食で汚れる前に!お食事シートや防水シートの活用
ベビーラックは長く使える分、どうしても気になるのが離乳食期の汚れ。でも、ちょっとした工夫で「お手入れの手間」はぐっと減らせます。
最近のベビーラックは、ほとんどのモデルで本体シート自体が洗える設計。だからこそおすすめなのが、本体シートの上に「マルチシート」や「お食事シート」を重ねて使う方法です。
- 食べこぼしは“上のシート”でキャッチ
- 汚れたら、そのシートだけ外して洗濯
- 本体シートは汚れにくく、乾かす手間も最小限
特に、1日3食になる時期は「1食でシートを汚してしまって、次の食事までに洗っても乾かない…」なんてこともよくあります。

そんな時でも、お食事シートならそれだけ交換。毎回本体シートを洗わなくていいので、気持ちにも時間にも余裕が生まれます。
さらに、実際に多いのが床にレジャーシートや防水シートを敷く方法。
ベビーラックはダイニングだけでなく、リビングで使うことも多いので、「床まで汚れると片付けが大変…」というストレス対策として、かなり効果的です。
次に使う人や下の子のためにも。キャスター周りの掃除も忘れずに
ベビーラックのお手入れというと、どうしても「シート」や「クッション」に目が行きがちですが、実は意外と汚れがたまりやすいのがキャスター部分です。
- 床のホコリ
- 髪の毛
- キッチン周りの細かなゴミ
毎日動かしている分、少しずつ絡まっていきます。といっても、特別な掃除は必要ありません。
月に1回くらい、ウェットティッシュや古い布でサッと拭くだけでキレイを維持できます。さらに髪の毛が絡まっていたら、指やピンセットで取り除くだけでもOK。
キャスターがスムーズに動くと
- 移動がラク
- ガタつきにくい
- 床を傷つけにくい
と、使い心地もぐっと良くなります。
「下の子に使うかもしれないな」「そのうち誰かに譲るかも」そんな未来を少しでも思い描いているなら、キャスター周りを軽く掃除する日を作りましょう。

完璧にきれいじゃなくて大丈夫。“使いやすい状態を保つ”くらいの気持ちで、ゆるっと続けていきましょう。
ベビーラックは「いつまで使えるか」より「どう使い切るか」で価値が決まる

ベビーラックは、「揺らして使える期間」だけを見ると、確かに短く感じるかもしれません。でも実際は、
- 新生児期は安心できるベッド・お世話台として
- 離乳食期は初めての“椅子”としての定位置
- その後はお食事や遊びに集中できる作業イスとして
赤ちゃんの成長に合わせて、役割を変えながら4歳頃まで寄り添ってくれる育児アイテムです。
「すぐ使わなくなったらどうしよう」「高い買い物だから失敗したくない」そんな不安があるからこそ、“いつまで使えるか”と“どう使い切るか”を知って選ぶことが、後悔しない近道。

きれいに保つ工夫もしつつ、ときには汚れることを気にしすぎず、毎日の育児が少しラクになる相棒として活用してください
きっと数年後、「このベビーラック、思った以上に活躍したな」そう思える未来が待っています。
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